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  • 執筆者の写真Hirokazu Kobayashi

喉元過ぎたコロナ禍の社会的・科学的意義

更新日:7 日前

小林裕和

(株)グリーン・インサイト・代表取締役/静岡県立大学・名誉教授・客員教授

 

いつまでマスクをするべきか、終わりに近いことは間違いない。新型コロナウイルス感染者数は、2024年2月のピークで、世界、国内共に10回目の波とされる。コロナ禍を通して、世界的死者数は700万人、国内のそれは8万人弱となる。当事者およびご家族には哀悼の意を、医療関係者には敬意を表させていただきたい。過去のパンデミックと比較すると、1347年〜1352年に流行したペストの死者は、ヨーロッパを中心にして8,000万人といわれる。1918年〜1920年のスペインかぜにおいては、世界規模で死者数1億人と見積もられている。その際の国内死者数は約45万人と推計されている。新型コロナウイルスの感染者数では、世界的に7億人、国内で4,000万人と見積もられる。集団免疫を得るには少ない数字であり、2023年ノーベル生理学・医学賞の受賞対象となったカタリン・カリコとドリュー・ワイスマンの研究に基づくRNAワクチンの功績は大きいと言える。

 

人との接触を避けての社会活動の維持が強いられ、既存のインターネットやデジタル通信技術にさらなる実践が求められた。オンラインでの会議や授業はその前から普及しつつあったが、コロナ禍でこれに拍車が掛かった。新型コロナウイルス感染の予防、検出、治療技術の開発は一刻を争う。従来、研究論文はその内容の審査を経て発表されたが、コロナ禍においてはプレプリントとして、審査を経ずに発表されることが増えた。また、論文としてまとめる手間を省き、生データが公開される方向に進んだ。その結果、研究者には、膨大な情報の中から信頼できるデータを見極める能力が求められるようになった。この流れを 「オープン・サイエンス」 と呼ぶ。ヒトは集団として、コミュニケーションを図ることで、地球上生物の頂点に立っている。この間、コミュニケーション手段として、口頭 → 手書き文字 → 印刷 (ヨハネス・グーテンベルクの活版印刷, 1439年) → 「デジタル革命」 に至った。また、多くの業務は、人が移動せずともオンラインにて実施でき、移動交通手段への依存度が軽減した。さらに、工業生産現場ではAIによる機械化に一層拍車が掛かった。皮肉にもコロナ禍は人類社会を一歩前進させた。この改革は大きな転換点として人類の歴史に刻まれることになろう。




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